General Compute、1億ドル調達 脱Nvidiaの推論クラウド

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AI向けの計算資源を貸し出すGeneral Computeが、シリーズAで1億ドル(約150億円)を調達したとTechCrunchが報じました。主導したのはBlackbird VenturesとAbstract Venturesで、調達後の評価額は8億ドルです。5月のシード時点の6,000万ドルから、約5か月で13倍超になりました。同社はNvidiaのGPUではなく、SambaNovaやCerebrasなどの推論専用チップでクラウドを組み立てています。GPUを大量に抱えた業者の先行きを疑う声が強まる中での大型調達です。

背景と文脈

ネオクラウド(neocloud:AI向けのGPUなどを専門に貸し出す新興クラウド業者)は、生成AIブームで急成長しました。しかし最近は風向きが変わっています。上場しているCoreWeaveの株価は12か月ぶりの安値に沈みました。Elon Musk氏は400億ドル規模の借り入れで計算資源を買う一方、多くのネオクラウドは倒れるか統合されると予想しています。

こうした悲観論に対し、General ComputeのFinn Puklowski CEOは「大きく誇張されている」と反論しました。Musk氏の発言は、GPU価格を下げたい立場からの発言だという見方です。Anthropicの上場申請書類が公開され、AI需要の実態が見えたことも投資家の不安を和らげていると話しています。

同社が強気でいられる背景には、売上の裏付けがあります。年間経常収益(ARR:毎年繰り返し入る見込みの売上)で1億ドルにあたる大口契約を結んだことが、今回の調達を後押ししました。

技術/ビジネス面

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Photo by Raisa Milova on Unsplash

General Computeの特徴は、学習ではなく推論に絞っている点です。推論(inference:学習済みのモデルに入力を与えて答えを出させる処理)は、AIサービスが使われるたびに発生します。利用者が増えるほど需要が積み上がる分野です。

使うチップはSambaNova、Positron、Cerebrasといった、Nvidiaの対抗勢力の製品です。7月には、SambaNovaの新しいチップを買うための4億ドルの借り入れを決めました。推論チップを担保にした借り入れは初めての例とされています。GPU以外のチップでも資金を引き出せることを示した形です。

主な顧客は、開発者に高速な推論APIを売るクラウド企業です。General Computeはソフトウェアを載せない素のサーバー(ベアメタル)を提供し、顧客がその上で自社サービスを作ります。

設備の作り方も独特です。巨大なデータセンターを一から建てず、小さめの電源を活用し、他社のデータセンターの区画を借ります。ビットコイン採掘の跡地をAI用に改装する例もあります。Puklowski氏は2027年に75メガワット分の設備を動かす計画で、確保できる電力は200メガワットに上ると話しています。資金調達は自分の本業になると語るほど、課題は電力より資金です。

これからどうなるか

注目点は、速さを売る推論クラウドが利益を出せるかどうかです。SambaNovaのRodrigo Liang CEOも、この市場では誰もが速さを売っており、問われるのは利益が出るかだと指摘しています。チップの選択肢が増えれば、Nvidia一強の価格構造が崩れる可能性もあります。

開発者にとっては、推論APIの選択肢と価格の幅が広がる流れです。オープンなモデルを高速APIで呼び出すサービスの裏側には、こうした専用チップの業者がいる場合があります。応答速度を重視するチャットやエージェント機能なら、GPU以外のチップを使う提供元も比較の候補に入れると、費用と待ち時間の両方を改善できるかもしれません。

一方で、新興業者には資金繰りの不安も残ります。重要な処理を任せるなら、複数の提供元へ切り替えられる設計にしておくと安心です。

まとめ

推論専用チップでクラウドを作るGeneral Computeが1億ドルを調達し、評価額は8億ドルになりました。年間1億ドル規模の大口契約と、SambaNovaチップを担保にした4億ドルの借り入れが成長を支えています。ネオクラウドへの悲観論が広がる中、推論に絞った戦略が通用するかが今後の焦点です。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Akshar Dave🌻 on Unsplash

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