Gemini 4 Argonの4体、27時間でMinecraftを攻略

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Googleの最新モデルGemini 4 Argonで動く4体のAIエージェントが、Minecraftのラスボス「エンダードラゴン」を倒したとする論文がarXivに公開されました。人間は役割分担もゲーム用の道具も与えず、エージェントは自分でコードを書いて27時間14分で攻略しています。書いたプログラムは2,783本、死亡は605回でした。長い手順を複数のAIでやり遂げた事例として、ゲームの外にも示唆があります。

背景と文脈

Minecraftは、AI研究で「長期タスク」の試験場として使われてきました。木を切り、鉄を掘り、ネザーという別世界で素材を集め、要塞を探してようやく最終ステージに入れます。数千の手順が前の手順に依存するため、途中で計画が崩れると先に進めません。

先行研究も多くあります。2023年のVoyagerは、Mineflayer(MinecraftのキャラクターをJavaScriptで操作するオープンソースのライブラリ)を使い、エージェントが書いたコードをスキル集として蓄える手法でした。ただ、多くの研究はダイヤの道具を作る段階までが中心でした。エンダードラゴン討伐は、MineDojoという研究基盤が「ムーンショット目標」と呼んだほどの難題です。

今回のA team of Gemini 4 Argon agents beats Minecraftは、Maxence Faldor、Satinder Singh、Roberta Raileanuの3氏による論文です。使われたGemini 4 Argonは、Googleが開発者向けに提供を始めた推論重視のフラッグシップモデルになります。

技術/ビジネス面

a close-up of a puzzle
Photo by Joshua Hoehne on Unsplash

仕組みはシンプルです。4体のプレイヤーと、記録を照合するだけの監視役1体が、すべて同じGemini 4 Argonで動きます。プレイヤーは画面を見ず、短いJavaScriptを書いて実行し、位置や体力、持ち物などの結果をテキストで受け取ります。プログラム1本の実行時間は中央値で33.5秒でした。

与えた指示は「エンダードラゴンを倒すこと」と「分担は自由」という1段落だけです。各エージェントには個人用と共有のメモリ、ゲーム内チャットがありました。それでも開始から約10分で役割が決まり、食料係や道具係などに分かれています。ネザーへの門は1時間42分で開通しました。

道具づくりも自発的でした。エージェントは42個の補助関数を書いて使い回し、そのうち1つは1,519本のプログラムから呼ばれています。要塞の位置は、エンダーアイを2回投げた軌跡から三角測量で割り出しました。推定は実際の入口から43mのずれでした。

最終戦は約14時間かかりました。ドラゴンを回復させる柱の上の水晶に気づくまで時間がかかり、10個すべてを壊してから39分で決着しています。費用はプレイヤー分だけで入力約13.5億トークン(9割はキャッシュ)、定価換算で約1,040ドルと試算されました。

これからどうなるか

著者は限界も率直に書いています。難易度はイージーで、Mineflayerは岩の向こうのブロックやドラゴンの内部状態まで正確に教えてくれます。画面を見て遊ぶ人間よりずっと有利な条件です。モデルが学習時にMinecraftの知識を多く得ている可能性もあります。実行は1回だけで、再現性はまだ分かりません。

それでも、数千の依存した手順を複数のAIが分担してやり切った点は注目に値します。著者は、これが複雑なソフトウェア開発に必要な能力と似ていると主張しています。

開発者にとって参考になるのは、エージェントの設計です。役割を事前に決めなくても、共有メモリとチャットだけで分業が生まれました。一方で、プログラムの22%はエラーで終わっています。失敗を前提に、検証と再試行を組み込む設計が欠かせません。社内でマルチエージェントを試すときの、コスト見積もりの目安にもなりそうです。

まとめ

Gemini 4 Argonの4体のエージェントが、最小限の指示だけでMinecraftを27時間で攻略しました。分業や道具づくりは自然に生まれた一方、605回の死亡や高いエラー率も残ります。条件の甘さを差し引いても、長期タスクに挑むAIの現在地を示す結果です。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Mika Baumeister on Unsplash

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