ターミナルで python とだけ打つと、>>> という記号が出て入力待ちになります。この画面が Python シェルです。対話モードや REPL とも呼びます。1行書いて Enter を押すと、その場で結果が返ってきます。ちょっとした計算や、関数の動きを確かめたいときに使います。
起動する
ターミナルを開いて、次のコマンドを打ちます。Windows なら PowerShell かコマンドプロンプト、Mac ならターミナルです。
| OS | 打つコマンド |
|---|---|
| Windows | python または py |
| Mac・Linux | python3(環境によっては python) |
起動すると、バージョンの表示に続いて >>> が出ます。
Python 3.12.10 (tags/v3.12.10:0cc8128, Apr 8 2025, 12:21:36) [MSC v.1943 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
Windows で python と打って Microsoft Store が開いたときは、Python がまだ入っていません。python.org か Microsoft Store から入れてください。Python と一緒に入る IDLE を開いたときに出る画面も、同じ Python シェルです。
式を打つと、すぐ結果が出る
式を打つと、print を書かなくても結果が表示されます。
>>> 1 + 2
3
>>> _ * 10
30
>>> name = "poko"
>>> name.upper()
'POKO'
>>> import math
>>> math.sqrt(2)
1.4142135623730951
_(アンダースコア)には、直前に表示された結果が入っています。上の例では 3 が入っていたので、_ * 10 が 30 になりました。電卓のように続けて計算するときに便利です。name = "poko" のような代入の行は、何も表示しません。
複数行の文を書く
for や if のように行の最後が : になる文を打つと、記号が ... に変わって続きを待ちます。中身は字下げして書き、最後に何も打たずに Enter を押すと実行されます。
>>> for i in range(3):
... print(i)
...
0
1
2
終了する
exit() と打って Enter を押します。quit() でも終わります。キーで終わるなら、Mac・Linux は Ctrl+D、Windows は Ctrl+Z を押してから Enter です。
Python 3.12 までは、かっこを付けずに exit とだけ打っても終わりません。次の案内が出るだけです。
>>> exit
Use exit() or Ctrl-Z plus Return to exit
Python 3.13 からは、exit だけで終われるようになりました。
bash や PowerShell とは別のもの
同じ「シェル」という名前でも、Python シェルが受け付けるのは Python の文だけです。ls や cd を打つと、Python の変数の名前として読まれてエラーになります。
>>> ls
Traceback (most recent call last):
File "<stdin>", line 1, in <module>
NameError: name 'ls' is not defined
見分け方は、行の先頭の記号です。>>> なら Python シェル、$ や PS C:\> なら OS のシェルです。pip install も OS のシェルで打つコマンドなので、Python シェルの中では動きません。先に exit() で抜けてから打ちます。
Python のプログラムの中から ls のような OS のコマンドを動かすときは、subprocess を使います。書き方は「Pythonでシェルコマンドを実行する方法:subprocess.runの使い方」にまとめました。.py のファイルに書くスクリプトとシェルのコマンドの違いは、「Pythonスクリプトとシェルコマンド:どう違うの?」で説明しています。
スクリプトを動かしたあとに続きを試す
python -i ファイル名.py で起動すると、スクリプトを最後まで動かしたあとに Python シェルに入ります。スクリプトで作った変数が残っているので、中身をその場で確かめられます。スクリプトがエラーで止まったときも Python シェルに入るので、原因を調べるのに使えます。
たとえば d.py に x = 5 とだけ書いておくと、次のようになります。
$ python -i d.py
>>> x * 2
10
Python 3.13 で新しくなった点
Python 3.13 で、Python シェルが新しくなりました。Windows でも使えます。前の版との違いは次のとおりです。
- 上下の矢印キーで、
for文などの複数行をまとめて呼び出して直せる exit、quit、helpをかっこなしで打てる>>>やエラーの表示に色が付く- F1 でヘルプ、F2 で打った行だけの履歴、F3 で貼り付けモード(長いコードを貼りやすくなる)
前の Python シェルに戻したいときは、環境変数 PYTHON_BASIC_REPL に値を入れてから起動します。
試すのはシェル、何度も使うならファイル
Python シェルで打った内容は、終了すると消えます。式の結果やエラーの出方を1回確かめるならシェル、あとで何度も動かす処理は .py のファイルに書いてスクリプトにする、と分けると迷いません。シェルで動いた行をそのままファイルに写せば、書き間違いも減ります。

