Replit CEO、Anthropicとの協業終了を表明 関係者は否定

ソースコードを表示したノートパソコン AI

ブラウザ上でアプリを作って公開できる開発基盤Replitの共同創業者、Amjad Masad CEOが10月16日、TechCrunch Disruptの壇上で「Anthropicとはもう一緒に仕事をしていない」と語りました。理由にはコストや提携関係を挙げ、OpenAIのモデルの方が社内評価で上回るとしています。Replitは8月にOpenAIとの提携を発表していました。ただ、TechCrunchの記事によると、関係者は提携がまだ続いていると話しています。AIコーディング製品のモデル選びが、性能だけでなくコストと提携で決まる現実が見えてきます。

背景と文脈

Replitは、ブラウザだけでコードを書き、そのままデプロイ(公開・稼働)まで行えるクラウド開発基盤です。近年はAIエージェント「Replit Agent」が主力で、自然な言葉で指示するとアプリを丸ごと作るバイブコーディング(細かい実装をAIに任せ、対話で開発を進めるスタイル)の代表格として知られています。

このReplit Agentを支えてきたのが、AnthropicのClaudeでした。Inc.の報道によると、Claudeとの提携はReplitの売上拡大に大きく貢献したとされます。9月下旬のReplitのブログでも、Claude Fable 5とFable 5.1を本番環境で使っていると明記されていました。

一方でReplitは8月、OpenAIとの提携も発表しています。この時点で、Anthropicとの関係を終えるという公式な発表はありませんでした。今回の発言は、その流れを初めて表立って語ったものになります。

AIコーディングの分野では、同じような動きが続いています。製品の中核に据えるモデルを、性能・料金・提携条件を見ながら入れ替える判断は、もはや珍しくありません。

技術/ビジネス面

テーブルを囲んで話し合う人たち
Photo by Vitaly Gariev on Unsplash

Masad氏が挙げた理由は3つです。まずコスト。次に提携そのもの。そして性能で、Replitは社内向けと公開用のベンチマークを持っています。氏によると、ゼロからアプリを組み立てる課題では、OpenAIのモデル「Sol」と「Astra」が上回ったといいます。「今はChatGPTの方が良いと思う」とも述べました。

ただし、発言と記録には食い違いがあります。Replitの公式サイトやSNSには、数週間前までClaudeを使っている形跡が残っていました。9月下旬には、Replitの社員がX上でOpus 5.5を使った投稿もしています。TechCrunchはReplitに確認を求めましたが、記事の時点で回答はありません。Anthropic側のコメントも出ていません。

Masad氏は、事業の数字にも触れました。年間経常収益(ARR)は非公開ながら、法人向けの売上比率は前年の約2%から今年は約15%に伸びたといいます。売上の半分超がBtoB(企業向け)になりました。企業顧客が増えるほど、推論コスト(AIに処理させるたびにかかる計算費用)の重みは大きくなります。モデル選びにコストが効いてくるのは自然な流れでしょう。

氏はAIエージェントを「生息環境が必要な労働者」にたとえ、安全に動かす条件も挙げました。オーケストレーション(複数の処理やエージェントの段取りを管理する仕組み)、エラーからの回復、サンドボックス、ネットワーク、認証・認可などです。

これからどうなるか

当面の焦点は、Replitが実際にどのモデルを本番で使っているかです。記事は、Replitの現在の本番モデルを特定していません。発言が「主力の切り替え」なのか「提携の終了」なのかで、意味合いは大きく変わります。Replitの正式な説明が出るかを待つ必要があります。

業界全体では、AIコーディング製品とモデル企業の関係が流動的になっています。モデル企業が自前のコーディング製品を強める一方、製品側は複数のモデルを比べて乗り換える立場を取りやすくなりました。料金や提携条件が、性能と並ぶ判断材料になっています。

開発者にとっての教訓は、特定のモデルに依存しすぎない設計です。AIを組み込んだ製品なら、プロバイダーを差し替えられる抽象化層を用意しておくと安心です。自分たちの用途に合った評価セットを持てば、Replitのように数字で乗り換えを判断できます。

まとめ

ReplitのCEOは、コストや性能を理由にAnthropicとの協業をやめたと語りました。ただ、直前までClaudeを使っていた記録や関係者の証言とは食い違いがあります。モデル選びが性能・コスト・提携の総合判断になっている現状を示す出来事です。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Jantine Doornbos on Unsplash

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