Meta、Muse Gadgetsを公開 自作機器をMuseにつなぐ

gray and back circuit illustration AI

Metaは10月2日、個人向けAIエージェント「Muse」に接続する機器を自作できるオープンソースの取り組み「Muse Gadgets」を発表しました。TechCrunchの報道によると、機器側のファームウェアとLinux用のSDKが公開されています。MuseはAIが旅行の手配やフォーム入力、買い物を代行するサービスです。ハードウェアを作る開発者にも、入口を開く動きです。

背景と文脈

Museは、利用者に代わって旅行を予約し、フォームを埋め、買い物をするエージェントです。TechCrunchは、すでに一般層に人気が出ていると伝えています。

これまでのMuseは、スマートフォンやPCの画面の中で完結するサービスでした。エージェントが実世界で役に立つには、画面の外にも手足が必要です。部屋の表示、ボタン入力、センサーの値、家電の操作といった入出力がそれにあたります。

Metaは同じ週に、中小企業向けの「Muse for Small Business」も発表しました。使用量に上限がありますが無料で、Shopify、Dropbox、Slackなどのツールとつながります。企業向けには「Meta Enterprise Platform」という新しい事業部門も立ち上げています。個人、小規模事業、大企業の三方向から、Museを広げる戦略です。

ハードウェアの世界では、AIアシスタントを載せた専用機器がたびたび話題になってきました。しかし、メーカーが独自に作る機器は、価格や供給量に縛られます。オープンソースにして開発者に任せれば、用途の発想はコミュニティから出てきます。Metaはその力を借りる選択をしました。

Muse Gadgetsは、その延長にある趣味の開発者向けの施策です。幅広い層に響く話ではありませんが、エコシステムの裾野を広げる狙いがあります。

技術/ビジネス面

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Photo by Beata Biskupicova on Unsplash

Muse Gadgetsで提供されるのは、オープンソースのファームウェア(機器の内部で動く低レベルのソフトウェア)と、Linux向けのSDK、そしていくつかの作例です。作例には、カラーの電子ペーパー表示を持たせる案や、テレビのHDMI端子に挿すスティック型にする案があります。

使えるハードウェアの範囲は広く設定されています。低価格の小型コンピューターのRaspberry Piや、市販のESP32ボード(Wi-Fi対応の安価なマイコン基板)が候補です。Metaは、手元にある表示器、ボタン、センサー、アクチュエーター(動力を出す部品)につなげられるとしています。支援用にDiscordのチャンネルも用意されました。

Meta自身も試作しました。Meta Superintelligence Labsのプロダクト責任者Nat Friedman氏は、Xへの投稿で「Muse Home Link」を紹介しています。USB-Cで給電する機器で、Museが家庭内ネットワークに入り、スピーカーやスマートテレビなどのスマート家電と会話できるようにします。

Metaは、この機器を5,000台製作し、在庫がある間はMuseの購読者に無料で配ると説明しました。投稿は数時間で約3万回閲覧されており、TechCrunchは無料分はすでになくなっただろうと推測しています。出荷は数週間後の予定です。

これからどうなるか

注目点は、AIエージェントの入口がスマホやPCの画面から、専用機器に広がることです。音声や物理ボタンで呼び出せる小型機器が増えれば、利用場面は家庭や作業場に広がります。

手を動かす開発者にとっては、実験の敷居が下がります。数千円のマイコン基板にセンサーをつなげて、Museに「この値が一定を超えたら知らせて」と頼む、といったプロトタイプが作れそうです。既存の自作スマートホーム環境に、会話のできるエージェントを足す使い方もあるでしょう。

注意すべき点もあります。公開されたばかりの基盤は、仕様が変わる可能性があります。プロジェクトを始めるときは、依存するバージョンを固定すると安全です。

家庭内ネットワークに入る機器は、プライバシーの観点でも重要です。どの情報をMuseへ送るのか、機器側でどこまで処理するのかは、公式の説明を確認してから導入してください。

まとめ

Muse Gadgetsは、MetaのAIエージェントMuseに自作機器を接続するためのオープンソースの基盤です。ファームウェアとLinux SDKが公開され、自社製のHome Linkも配られます。AIエージェントの入口が画面の外へ広がる兆しとして、追っておく価値があります。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Mathew Schwartz on Unsplash

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