Meta、新サブスク「Meta One」でAI機能拡充

スマートフォンでSNSアプリを使う様子 AI

Metaが、Facebook、Instagram、WhatsAppを横断する新しいサブスクリプションサービス「Meta One」を発表しました。個人向けは月額7.99ドルからの2プラン、企業・クリエイター向けは月額14.99ドルから499ドルまでの4プランを用意し、いずれも画像・動画生成AIなどの機能拡充とセットになっています。生成AI開発への巨額投資をどう収益化するか、Metaの答えの一つといえる動きです。

背景と文脈

Metaはこれまで、Facebookやインスタグラムの収益の大半を広告に頼ってきました。しかし生成AI(人が指示した内容に応じて、文章や画像、動画などを新たに作り出すAI)への投資が膨らむ中、広告以外の収益源を育てる必要性が高まっています。象徴的なのが、AI人材データ企業Scale AIへの143億ドルという大型出資です。

Metaは今年3月にもサブスクリプション型のプランを一部投入していましたが、今回のMeta Oneはこれを拡張し、AI機能を前面に押し出した形に再編したものです。個人ユーザー向けのAI活用と、企業・クリエイターの業務効率化という、性質の異なる2つのニーズを同じブランドの傘の下でまとめています。

初期のデータでは、インスタグラム経由で1日あたり120万ドル、フェイスブック経由で52.8万ドルの収益を9月中旬時点ですでに生み出しているといい、Metaにとって無視できない規模の新たな収益源になりつつあります。

背景には、TikTokやYouTubeなど動画系プラットフォームとの競争激化もあります。生成AIツールを無料で使えるサービスも増えるなか、Metaは単なる広告収入だけでなく、クリエイターやビジネスユーザーから直接収益を得るモデルへとかじを切ろうとしているとみられます。

技術/ビジネス面

スマートフォンでサブスクアプリ画面を見る様子
Photo by Vojtech Bruzek on Unsplash

個人向けプランは、月額7.99ドルの「Core」と19.99ドルの「Premium」の2段階です。既存の会員特典に加え、画像生成ツール「Muse Image」や動画生成ツール「Muse Video」、インスタグラムのストーリーズを別のスタイルに描き直す「Restyle」機能などが使えるようになります。Premiumでは、これらのAI機能を使える上限回数がCoreより多く設定されています。

企業・クリエイター向けは、月額14.99ドルからの「Essential」、49.99ドルからの「Advanced」、149ドル以上の「Expert」、499ドル以上の「Max」という4段階です。上位プランほど、問い合わせ対応などを担う「Meta Business Agent」の利用枠が増えるほか、投稿の一括予約期間の延長やアクセス解析の書き出し、チームでのアカウント共有といった機能が加わります。

なりすまし検知や認証バッジといったブランド保護機能、ウェブサイトやレビューを表示できるプロフィール強化、フォロー誘導の自動化など、AI機能以外の実務的な機能も各プランに組み込まれています。

これらの機能は、これまで一部が無料または低価格で試験提供されていたものを、正式な有料プランに整理し直した形です。Metaとしては、利用実績のある機能を軸に据えることで、契約者数を早期に積み上げたい狙いがあるとみられます。

これからどうなるか

Metaがサブスクリプション事業に本腰を入れて育てようとしている背景には、広告偏重の収益構造からの脱却という狙いがあります。AI機能を課金の目玉に据えることで、広告以外の収益源を太くしつつ、生成AIへの投資回収も同時に進める算段とみられます。

個人ユースでSNSを使っている開発者にとっても、画像・動画生成AIが標準機能として月額課金に組み込まれる流れは、他のSNSプラットフォームの料金設計にも影響を与えそうです。自社サービスに生成AI機能を組み込む際の価格設定を考える上で、Meta Oneの階層構造は参考になる事例といえます。利用量に応じて上限を分ける設計は、AI機能のコストを回収したいプロダクトであれば汎用的に応用できる考え方です。

まとめ

Meta Oneは、広告収益に頼ってきたMetaが、生成AIへの投資を具体的な収益に変えようとする試みです。個人向けは月7.99ドルから、企業向けは月499ドルまでという幅広い価格帯で、AI機能をサブスクリプションの中心に据えた設計になっています。今後の利用状況次第で、他社の料金戦略にも影響を与えそうです。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Quilia on Unsplash

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