Hark、$700M Series AでBrett AdcockがユニバーサルAI開発へ

orange and white pencil on white printer paper AI

AIスタートアップのHarkがParkway Venture Capital主導のシリーズAで7億ドルを調達し、企業評価額は60億ドルに達しました。創業者のBrett Adcock氏はロボティクス企業Figure AIと電動航空機メーカーArcher Aviationを立ち上げた連続起業家で、個人用AIアシスタントとそれを動かす専用ハードウェアの開発を目指しています。製品の詳細は秘密とされていますが、今夏にマルチモーダルモデルを公開し、その後に専用デバイスを展開する計画です。

背景と文脈

Brett Adcock氏は連続起業家として知られる人物です。雇用マッチングプラットフォームVettedを売却後、電動垂直離着陸機スタートアップArcher Aviationを創業、さらに人型ロボット企業Figure AIを立ち上げました。Figure AIはOpenAIとの連携でAIロボット分野に注目を集め、2024年に6.75億ドルを調達しています。Harkはその後に立ち上げた新会社で、設立時に自己資金1億ドルを投入しています。

「ユニバーサルAIインターフェース」という表現はまだ定義が曖昧ですが、デザイン責任者に元AppleのAbidur Chowdhury氏が就任しているという事実が手がかりになります。同氏は「AnthropicはコーディングツールになりつつあるがHarkは違う方向を目指す」「ハードウェアを含めたインターフェース設計に注力する企業は少ない」と述べており、AIモデルをソフトウェアだけでなく専用デバイスと組み合わせる方向性が伺えます。

AIアシスタント市場では現在、Apple Intelligence・Googleアシスタント・Amazon Alexaなどが大手として存在します。しかし、汎用スマートフォンのOSレイヤーに乗る形ではなく、AI専用のインターフェース・デバイスを作るという方向性には、HumaneやRabbitなどいくつかの企業が挑戦して苦戦した経緯があります。

技術/ビジネス面

white and gray RoboSapien in white background

TechCrunchの報道によれば、今回の7億ドル調達にはAMD Ventures・ARK Invest・Qualcomm Venturesなど10以上の機関投資家が参加しています。AMD・Qualcommというチップメーカーが投資していることから、専用ハードウェアの設計において両社との連携が想定される可能性があります。

投資家らは「一連のデモ」に感銘を受けたと報じられていますが、具体的な技術内容は非公開です。今夏公開予定のマルチモーダルモデル(テキスト・画像・音声など複数の形式を扱えるAIモデル)がどのような性能を持つかが、外部から能力を評価できる最初の機会になります。

AIハードウェアスタートアップがシリーズA段階で7億ドルを調達するのは異例の規模です。同等規模の資金調達がなければ実現しない研究開発量を確保しており、単なるソフトウェアAPIラッパーではない独自モデルと独自ハードウェアの組み合わせを本気で目指している姿勢が見えます。

これからどうなるか

今回の調達で注目すべき点は、AIが「クラウドAPIを呼ぶソフトウェア」から「専用モデル+専用デバイスのパッケージ」へと形態を変える動きが資金を集めていることです。スマートフォン以降の次のインターフェースをAI専用に作り直す挑戦は、成功すれば大きな市場を生みますが、先行企業が市場受容に苦労してきた経緯もあります。

開発者視点では、Harkが公開するマルチモーダルモデルAPIがどんな能力を持つかが実装上の関心ポイントです。大手のAnthropicやOpenAIとは異なる強みを打ち出せれば、個人向けAIアシスタントの組み込みに新たな選択肢が生まれます。今夏の公開に向けて、テクニカルプレビューを追う価値があります。

一方でリスクも明確です。60億ドルの評価額に対して現時点で公開されている製品は皆無であり、Adcock氏の実績と「デモ」への期待だけで積み上げた評価といえます。Humane AIが1.5億ドル超を調達しながら製品を撤退させた前例があり、ハードウェアとAIモデルの同時成功の難しさは業界で共通認識となっています。

まとめ

Brett Adcock氏の新スタートアップHarkがシリーズAで7億ドルを調達し、評価額60億ドルに到達しました。「ユニバーサルAIインターフェース」の具体像はまだ秘密ですが、今夏のマルチモーダルモデル公開と専用ハードウェア展開が予告されています。AI専用デバイス市場の再挑戦として、成否が注目されます。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Quilia on Unsplash

タイトルとURLをコピーしました