「Turbo AI」は、20歳の大学中退者であるRudy Arora氏とSarthak Dhawan氏が開発したAIノートテイカーアプリだ。2024年初頭のローンチ以来、わずか数ヶ月で500万ユーザーを獲得し、年間経常収益は8桁に達する快進撃を続けている。当初は学生の学習支援ツールとして誕生したが、その利便性が評価され、現在はビジネスパーソンにも利用が拡大。キャッシュフロー黒字を維持しつつ、堅実な成長戦略で市場での独自の地位を確立している。
【Turbo AI】20歳中退者が築いた驚異の成功
AIノートテイカー「Turbo AI」は、Rudy Arora氏とSarthak Dhawan氏という20歳の若き起業家2人によって2024年初頭にリリースされた。このアプリはわずか数ヶ月で500万ユーザーを獲得し、年間経常収益は8桁に達する驚異的な成長を遂げている。特に過去半年間でユーザー数は100万人から500万人へと急増。現在も毎日2万人の新規ユーザーが加わっているという。
彼らは大学を中退後、この画期的なAIツールを開発し、既存の市場に新たな風を吹き込んだ。AIノートテイカー市場は競争が激しいが、Turbo AIはその中で独自の地位を築き、急成長を続ける。これは、単なる技術的な優位性だけでなく、ユーザーの課題を深く理解した製品設計と、巧みな市場戦略の成果と言えるだろう。
AIノートの誕生秘話:学生の悩みを解決
Turbo AIのアイデアは、多くの大学生が直面する共通の悩みに端を発している。創業者たちは授業中にノートを取りながら、同時に講義内容に集中することの難しさを痛感していた。Sarthak Dhawan氏は「講義に集中するとノートが取れず、ノートを取ると聞けなくなる」と語る。この自身の経験から、AIを活用してこの課題を解決できないかと着想を得た。
彼らはまず「Turbolearn」という名でサイドプロジェクトとして開発に着手。講義を録音し、自動でノート、フラッシュカード、クイズを生成する機能を実装した。当初はデューク大学やノースウェスタン大学の友人やクラスメートの間で広まり、その後ハーバードやMITなど他の大学にも浸透した。製品は録音、文字起こし、要約に加え、インタラクティブな学習ノート、クイズ、フラッシュカード、さらにはキーワードや概念を説明するチャットアシスタントも提供。ライブ録音の限界を克服するため、PDFやYouTube動画などの資料アップロード機能も追加し、学生の多様な学習スタイルに対応している。
利用者は拡大中!学生からビジネス層への浸透
Turbo AIは、時間節約と情報定着に大きく貢献すると学生の間で評判だ。ある学生は30ページの講義資料をアップロードし、連続する75問のクイズを2時間で解き終えたと報じられている。これは、単にノートを作成するだけでなく、学習効果を高めるツールとして認識されている証拠である。
当初は学生向けの学習アプリ「Turbolearn」として展開していたが、その利便性の高さからユーザー層が拡大。名称を現在の「Turbo AI」に変更し、より広範なAIノートテイカーおよび学習アシスタントとしての地位を確立した。現在では学生だけでなく、コンサルタント、弁護士、医師といった専門職のほか、ゴールドマンサックスやマッキンゼーのアナリストなど、ビジネス層にも利用者層が広がっている。彼らはレポートの要約作成や、通勤中に聞くためのポッドキャスト変換など、多岐にわたる用途でAIノートテイカーを活用しているという。
20歳中退者の起業戦略:堅実な成長と未来
Rudy Arora氏とSarthak Dhawan氏は、中学時代からの旧友であり、これまでにも複数のプロジェクトで協業してきた。Sarthak Dhawan氏は以前、人々の魅力を高めるアドバイスアプリ「UMax」を開発し、App Storeで1位を獲得。2000万ユーザー、年間600万ドルの収益を達成した実績を持つ。Rudy Arora氏は、ソーシャルメディア戦略で爆発的な成長を牽引し、数百万ユーザーを獲得する専門家だ。
彼らが大学を中退してTurbo AIの事業に専念することを決めたのは、一時的な成功ではなく、持続可能なビジネスを築く大きな機会を見出したからである。多くの急成長するAI企業とは異なり、彼らは安易な資金調達に慎重な姿勢を示している。昨年調達した75万ドルは、当初の牽引力が出る前に受けたもので、その後多くの投資家からの関心が寄せられているものの、キャッシュフローが黒字で創業以来利益を維持しているため、時間をかけて慎重に判断しているという。
ロサンゼルスを拠点とする15人体制のチームは、UCLAなどの大学コミュニティと密接に連携し、学生やクリエイターの声に耳を傾けている。現在、月額約20ドルでサービスを提供しているが、学生の価格感度を考慮し、他の料金オプションやA/Bテストを実施中だ。競合他社が多数存在するAIノートテイカー市場において、Turbo AIはGoogle Docsのような手動ツールとOtterのような完全自動ツールの間のニッチを狙い、ユーザーがAIと並行して手動でノートを取ることを可能にしている。このアプローチが功を奏し、今や「AIノートテイカーといえばTurbo AI」とユーザーに認知される存在となった。
参考リンク
- Turbo AI公式サイト
- Rudy Arora氏のLinkedInプロフィール
- Sarthak Dhawan氏のLinkedInプロフィール
- I just got kicked out of Columbia for taking a stand against Leetcode… – LinkedIn
- Student-AI Interaction in an LLM-Empowered Learning Environment… – arXiv
- i got kicked out of Columbia for building Interview Coder, AI to cheat… – LinkedIn
- AI notetaking app Granola raises $43M at $250M valuation, launches collaborative features – TechCrunch

