Meta、商用規約からAI学習の文言を削除 10月30日発効

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Metaが、10月30日に発効する新しい商用規約から「学習(train)」の文言を削除しました。もとの文言では、Metaのビジネスアカウントを持つ企業のサイトを巡回し、その内容をAIの学習に使えると読めたためです。報道機関や法律の専門家から批判が相次ぎ、Metaは「解釈は誤り」としつつ表現を改めました。ただし、巡回そのものを認める条項は残っており、懸念は消えていません。

背景と文脈

問題の規約は、Facebookページや広告アカウントを使う企業に適用される商用規約です。Metaは10月初め、ブログとMeta Business Suiteで改定を通知しました。新版は2024年3月版を置き換え、10月30日に発効します。

火をつけたのは、米メディア研究機関Nieman Labの10月15日の報道です。3人の法律専門家が、新しい文言はニュースサイトの内容を巡回してAI学習に使う根拠になり得ると指摘しました。PPC Landのまとめによると、Metaの広報責任者Andy Stone氏は翌16日にXで報道を「誤り」と否定しています。

背景には、AI学習用のデータをめぐる争いがあります。Metaは2025年に著作権訴訟で勝訴しましたが、AI企業への訴訟はほかにも続いています。報道各社にとって、記事は有料でライセンスできる資産です。規約一つで無償の利用を認めることになれば、影響は小さくありません。

技術/ビジネス面

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Photo by JJ Ying on Unsplash

改定前の文言は、企業の「ドメインやWebページ、URL」の内容を、製品の提供や改善、研究、学習などに使えるとしていました。TechCrunchの報道によると、Metaはこの用途の一覧から「学習」を外しました。用途も「広告とビジネス製品」に限っています。

一方で、巡回を認める条項自体は残りました。Metaは自動ソフトや「テスト用の認証情報」を使い、企業の製品やサービスに「関連する」サイトを巡回できます。「関連する」の範囲は定義されていません。専門家は、テスト用の認証情報で会員登録の壁を越えられる可能性も指摘しました。

robots.txt(サイト運営者が巡回ロボットに「ここは見ないで」と伝えるファイル)の扱いも論点です。規約はrobots.txtに一切触れていません。専門家は、契約がrobots.txtより優先すると主張する根拠になり得ると見ています。Metaは、robots.txtを無視する意図はないと説明しています。

Metaの巡回ロボットの構成も複雑です。Meta-ExternalAgentは、AI学習と製品向けの索引づくりを1つの識別名で兼ねています。このため、索引は許しても学習は断る、という使い分けができません。

これからどうなるか

決着はまだです。業界団体News/Media Allianceは、「学習」の削除を前進と評価しつつ、外部サイトを巡回する広い権限は残ると指摘しました。US英語版では削除が確認された一方、英国版にはまだ残っているとの報告もあります。発効日の10月30日までに、さらに修正が入るかが焦点になりそうです。

ニューヨーク州では、名乗らずにニュースサイトを巡回するロボットに1日最大1万5,000ドルの罰金を科す法案も出ています。規約と法律の両面から、AI企業による巡回のルールづくりが進んでいます。

Webサイトを運営する開発者は、まずrobots.txtにMeta-ExternalAgentの扱いを明記しておくとよいでしょう。Metaの広告やページを使う企業なら、新しい規約に同意したと見なされる点も確認が必要です。アクセスログで巡回の実態を把握しておけば、規約が変わっても判断しやすくなります。

まとめ

Metaは批判を受け、商用規約からAI学習の文言を外しました。しかし、企業サイトを巡回する広い権限やrobots.txtとの関係は曖昧なままです。10月30日の発効を前に、サイト運営者は自分のサイトの扱いを確かめておく必要があります。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Solen Feyissa on Unsplash

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