第9巡回区、PerplexityのAI代理アクセスを合法と判断

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米連邦控訴裁判所である第9巡回区控訴裁判所は2026年8月4日、AI検索企業PerplexityのAIショッピングエージェント「Comet」がAmazon.comへアクセスする行為について、連邦不正アクセス防止法(CFAA:Computer Fraud and Abuse Act、無許可のコンピューターアクセスを禁じる米国の法律)に違反しないとの判断を示しました。AIエージェントがユーザーに代わってウェブサイトを操作する行為の適法性を巡る、初の連邦控訴審判決です。

背景と文脈

Perplexityが提供するブラウザ「Comet」には、ユーザーの指示でAmazon.com上での買い物を代行する「Assistant」機能があります。ユーザーが起動すると、AssistantはAmazonのページを操作しながら画面のスクリーンショットをPerplexityのサーバーに送り、次の操作指示を受け取る仕組みで動作します。Amazonは2025年11月、Comet Assistantが「エージェントである」と明示しないままサイトを操作しているとして利用規約違反を主張し、Perplexityに停止を求める警告を送っていました。

その後Amazonは、Comet AssistantがCFAAと、カリフォルニア州の同種法であるCDAFA(Comprehensive Computer Data Access and Fraud Act)に違反しているとして提訴し、下級審からはComet AssistantによるAmazonへのアクセスを差し止める仮処分命令を得ていました。Perplexityはこれを不服として第9巡回区に控訴していました。

技術/ビジネス面

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Photo by Brooke Lark on Unsplash

控訴審の合議体を率いたマイラン・D・スミス・ジュニア判事は、CFAAはあくまで不正侵入を禁じるハッキング対策法であり、Amazonのシステムに「アクセス」しているのはComet Assistantというツールを使うユーザー自身であって、Perplexityではないと結論づけました。この判断により、Amazonが下級審で得ていた差し止め命令は取り消されています。Amazonが本案訴訟で最終的に勝訴する見込みは低いというのが合議体の見立てです。

この判決は、AIエージェントが人間の指示を受けてウェブサイトを操作する「エージェント型商取引」全般に関わる法的な土台を示した点で重みを持ちます。電子フロンティア財団(EFF)は法廷助言者として関与しており、「ウェブブラウザを作ること自体はCFAA違反にならない」との立場を支持する判決だと歓迎しました。CFAAを巡っては2021年の連邦最高裁Van Buren判決や2022年の第9巡回区hiQ対LinkedIn判決でも適用範囲が絞られてきており、今回の判断はその流れをAIエージェントの領域にまで広げたものといえます。

これからどうなるか

この判決は、Perplexityに限らずAIエージェントを使ったオンライン操作サービス全般に追い風となります。今後、他のECサイトやプラットフォームがAIエージェントのアクセスを規約違反として法的に阻止しようとしても、CFAAを根拠にした差し止めは通りにくくなる可能性があります。一方で最終的な本案審理はまだ続いており、利用規約違反そのものを理由にした別の主張(契約違反など)が今後の争点になるとみられます。

開発者にとっては、ユーザーの委任を受けて第三者サイトを操作するエージェントを設計する際に、CFAAという「不正アクセス」の壁を過度に恐れずに済む材料が一つ増えたことになります。ただし利用規約や識別表示の扱いなど、法律以外の実務的な論点は残るため、エージェントがサイト側にどう振る舞いを開示するかは引き続き設計上の課題です。

まとめ

第9巡回区控訴裁判所は、PerplexityのAIショッピングエージェントによるAmazonへのアクセスをCFAA違反ではないと判断し、Amazonが得ていた差し止め命令を取り消しました。AIエージェントのウェブアクセスを巡る初の連邦控訴審判決として、今後のエージェント型商取引の法的な土台になります。

参考リンク

アイキャッチ画像: Photo by Zack Yeo on Unsplash

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