AppleはiOS 27でSiriを大幅に刷新する計画で、Bloombergが2026年5月28日にリーク画像を公開しました。目立った変化は2点です。一つ目は、SiriがiPhoneのDynamic Islandから起動するインターフェース刷新で、スワイプ操作でAI検索モードに切り替わります。二つ目は、ChatGPT・Claude・Geminiと正面から競合する独立した「Siriアプリ」の開発です。AIの基盤にはGoogleのGeminiを採用しており、Apple-Google協業の具体的な形が明らかになりました。
背景と文脈
AppleはAI分野において長らく慎重な姿勢を取ってきました。2024年にApple Intelligenceをリリースし、オンデバイスAI(端末内で処理するAI)をプライバシー保護の観点から売り物にしていましたが、ChatGPTやClaudeの台頭で機能の物足りなさへの批判が高まっていました。
iOS 26(2025年)でAppleはOpenAIと提携し、ChatGPTをSiriから呼び出せるようにしました。今回のiOS 27では枠組みが変わり、GoogleのGeminiがより深いAI基盤として採用される形です。AppleとGoogleはかつて検索エンジン契約(GoogleがiOSのデフォルト検索エンジン対価を支払う)で長年の関係を築いてきましたが、その関係がAIの領域でも継続・発展した格好です。
競合のChatGPTの週間アクティブユーザーは約9億人といわれますが、AppleはiPhone・iPad・Mac・Watch合計で25億台以上のデバイスを保有しています。OSレベルでSiriをAI体験の入口にすることで、専用アプリをダウンロードせずにAIに触れられる層へのリーチを狙います。
技術/ビジネス面

新SiriのUIはDynamic Island(ダイナミックアイランド:iPhone 14以降に搭載された上部ノッチ領域で、通知やアクティビティを表示するUIパーツ)から起動します。スワイプダウン操作でAI検索モードに入る設計で、OS標準のSpotlightサーチ(ファイルやアプリを横断検索する機能)の使い勝手を踏まえており、学習コストが低い点が特徴です。検索結果はカード形式で表示され、関連情報がまとめて提示されます。
独立したSiriアプリでは、チャット履歴の保存・ドキュメントや写真のアップロード・テキストベースの対話が可能になります。この設計はChatGPTやClaudeのアプリ体験に近い形であり、Appleが本格的なAIアシスタントアプリ市場への参入を意味します。
AI基盤にGeminiが採用される一方、Appleは並行してオンデバイスAIモデルの開発も続けています。健康データや個人情報を含む処理はデバイス内モデルで対応し、高度な推論が必要な場合はGeminiが補完する二段構えの設計とみられます。プライバシーを看板にしてきたAppleの姿勢と、クラウドAIの活用を両立させる試みです。
これからどうなるか
正式発表は2026年6月に予定されるAppleの年次開発者会議WWDC(Worldwide Developers Conference)で行われる見通しです。ベータ版が開発者に公開されれば、各機能の詳細や制約が明らかになります。
開発者にとって注目すべきは、新SiriのAPIがどこまで開放されるかです。App IntentsやSiri Shortcutsといった既存の仕組みが拡張されれば、SiriからサードパーティアプリをAI経由で呼び出す体験が強化されます。処理がGeminiのサーバー側で行われる場合、プライバシー設定やデータの取り扱いに関するAppleのポリシーも確認が必要です。iOS 27リリース後は、Apple生態系向けのAI体験設計を見直す機会になるでしょう。
まとめ
Bloomberg報道でiOS 27のSiri大幅刷新の概要が明らかになりました。GoogleのGeminiをAI基盤に採用した独立アプリでChatGPT・Claudeに挑む構図です。25億台という圧倒的な配布力を武器に、AIを使ったことのない層へのリーチを目指します。正式発表はWWDC 2026で行われる予定です。
参考リンク
アイキャッチ画像: Photo by Jan Antonin Kolar on Unsplash

