Googleは先日、AIモードに新たな「エージェント機能」を導入しました。これにより、イベントチケットや美容室の予約をAIアシスタントに任せられるようになります。複雑な検索と複数サイトからの情報収集をAIが代行し、ユーザーは希望に沿った選択肢から最終決定を下すことが可能です。既存のレストラン予約機能も強化され、AIが日常的な計画をより効率的にサポートする時代が到来しています。
Google AIモードの新「エージェント機能」とは
Googleは11月4日、AIモードに新たなエージェント機能を導入したと発表しました。この機能は、ユーザーが複雑な質問を投げかけ、詳細な情報を検索する際にAIが複数ステップのタスクを実行するものです。具体的には、イベントチケットや美容・ウェルネスの予約プロセスをAIが支援します。
例えば「Shaboozeyのコンサートで安い立ち見席を2枚探して」といった要望に対し、AIモードが複数のウェブサイトを横断的に検索し、リアルタイムのチケットオプションを提示します。これは、従来のGoogle AIが持つ「質問応答」能力をさらに発展させたものです。米国のSearch Labsに参加している全てのユーザーが利用でき、Google AI ProやUltraのサブスクリプションユーザーにはさらに高い利用上限が提供されます。
AIでチケット予約・美容室予約する方法
AIアシスタントを使ったチケット予約は非常に簡便です。ユーザーは具体的なイベント名、人数、座席タイプ、予算などの希望をAIに伝えます。AIモードは、これらの情報に基づき、複数の予約サイトからリアルタイムで利用可能なオプションをリストアップし、最適な選択肢を提示します。最終的な購入は、AIが提示する予約ページへの直接リンクから完了できます。
美容室やウェルネス施設の予約も同様です。希望する日時、サービス内容、場所などを伝えれば、AIが最適な店舗を探し出してくれます。これにより、これまでユーザー自身が行っていた比較検討やサイト巡りの手間が大幅に削減されます。国内では、このようなAIによる予約代行サービスはまだ一般的ではないものの、消費者にとっては利便性の高い機能として普及が期待されます。
レストラン予約から広がるAIアシスタントの活用
Googleは、エージェント機能をAIモードに初めて導入したのは8月で、その際はレストラン予約に焦点を当てていました。この機能を使えば、パーティーの人数、日付、時間、場所、希望の料理ジャンルといった複数の条件に基づいて、ディナーの予約を依頼できます。例えば「今週金曜日の午後6時以降、Logan Square周辺で3人分のラーメンかビビンバのディナーを予約して」といった具体的なリクエストが可能です。
AIモードは、このような複雑な条件を満たすレストランのリアルタイムな空き状況を複数の予約プラットフォームから探し出し、候補リストを作成します。この成功が、今回のイベントチケットや美容予約への拡大につながりました。将来的には、旅行計画の全体的な手配や複雑な医療機関の予約など、AIアシスタントの活用範囲はさらに広がると見られています。
Google AIモードの進化と今後の可能性
Googleは今年3月にAIモードを導入し、Perplexity AIやOpenAIのChatGPT Searchといった競合サービスに対抗してきました。以来、この機能は180カ国以上に拡大され、新たな機能が次々と追加されています。例えば、最近では「Canvas」機能が導入され、複数のセッションにわたる学習計画の作成や情報整理をサイドパネルで行えるようになりました。また、Google Lensを使ってデスクトップ画面の情報を質問する機能も追加されています。
GoogleはSearch Labsページで「Google検索における我々の優先事項は、信頼できる高品質な情報とユーザーを結びつけることだ」と説明しています。ただし「この新モードは我々の中核的な品質・安全システムに根ざしているものの、まだ初期の実験段階であり、間違いを犯す可能性もある」とも注意を促しています。AIアシスタントの活用が広がる中で、その精度と倫理的な側面は引き続き重要な課題となるでしょう。

