【速報】AWS re:Invent 2025、AIエージェントと新チップで未来を拓く

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AWS re:Invent 2025の初日が終了し、エンタープライズ向けAIの強化に焦点を当てた多数の発表があった。特に注目されたのは、AIエージェントのカスタマイズ機能拡充、自律的に数日間稼働するエージェント、新しいAIトレーニングチップTrainium3とNVIDIA互換性の予告である。また、高度なNovaモデルや、オンプレミス環境でAWS AIシステムを運用できる「AI Factories」も披露された。これらの新機能は、顧客がAIをより詳細に制御し、ビジネス価値を最大化できるよう支援するものだ。

An AI training chip and Nvidia compatibility

AWSは、新しいAIトレーニングチップ「Trainium3」と、それを実行するAIシステム「UltraServer」を発表した。Trainium3は、AIのトレーニングと推論の両方で最大4倍の性能向上を実現し、エネルギー消費を40%削減するとされる。これは、大規模なAIワークロードを効率的に処理するための重要な進化だ。

さらにAWSは、Trainium4の開発も示唆した。この次世代チップはNVIDIA製チップとの連携が可能になる見込みで、既存のNVIDIAエコシステムを利用する企業にとって、より柔軟な選択肢を提供することになるだろう。国内企業が多様なGPUを活用し、最適なコストパフォーマンスでAI開発を進める上で、大きなメリットとなる発表だ。詳細についてはTechCrunchの報道で確認できる。

Expanded AgentCore capabilities

AWSは、AIエージェント構築プラットフォーム「AgentCore」の新機能も発表した。中でも注目されるのは「Policy in AgentCore」で、開発者がAIエージェントの行動範囲や利用ポリシーを容易に設定できるようになる。これにより、エージェントの誤動作リスクを低減し、より安全な運用が可能となる。

また、エージェントがユーザーに関する情報をログとして記録し、記憶する機能も追加された。これにより、ユーザーの過去の行動や好みを踏まえた、パーソナライズされた対応が期待できる。AWSは、エージェントの評価を支援するため、13種類の事前構築済み評価システムも提供する。これらの機能強化は、AIエージェントの信頼性と実用性を高め、企業におけるAWS AIサービス導入を加速させるだろう。

A nonstop AI agent worker bee

AWSは「Frontier agents」と称する3つの新しいAIエージェントをプレビューした。その中核となるのが「Kiro autonomous agent」だ。Kiroはコードを生成し、チームの作業スタイルを学習することで、数時間から数日間にわたり自律的に作業を継続できる設計となっている。これにより、開発者が繰り返し行うタスクから解放され、より戦略的な業務に集中できる可能性がある。

他の新しいエージェントには、コードレビューのようなセキュリティプロセスを処理するものや、新しいコードをライブ環境にデプロイする際のインシデント防止など、DevOpsタスクを実行するものがある。これらのエージェントのプレビュー版は既に提供されており、企業は自律型AIによる業務効率化の恩恵を早期に享受できるとTechCrunchは報じている

New Nova models and services

AWSは、AIモデルファミリー「Nova」に4つの新モデルを投入した。これらのうち3つはテキスト生成モデルであり、残りの1つはテキストと画像を同時に生成できるマルチモーダルモデルだ。これにより、より多様なコンテンツ生成や情報処理が可能となる。

さらに、AWSは新サービス「Nova Forge」を発表した。Nova Forgeは、AWSのクラウド顧客が事前学習済み、中間学習済み、事後学習済みの各種モデルにアクセスし、自社の独自データで追加学習(ファインチューニング)できるサービスである。これは、特定の業界や企業に特化したAIモデルを柔軟に構築したいというニーズに応えるもので、AWS AIサービスの中でも特にカスタマイズ性を重視している点が特徴だ。詳細についてはAWSの公式ブログで確認できる。

Lyft’s argument for AI agents

配車サービス大手Lyftは、今回のイベントでAIエージェントの導入事例を発表した多くのAWS顧客の一つだ。LyftはAmazon Bedrockを通じてAnthropicのClaudeモデルを利用し、ドライバーと乗客からの問い合わせ対応を自動化するAIエージェントを構築した。

Lyftの報告によると、このAIエージェントの導入により、平均解決時間が87%短縮された。また、ドライバーによるAIエージェントの利用率は、今年に入って70%増加したという。この具体的な数値は、AIエージェントが顧客サービスの効率化とユーザー満足度向上に大きく貢献できることを示しており、国内のサービス業界にも大きな示唆を与えるだろう。Lyftの公式ブログで詳細が述べられている。

An AI Factory for the private data center

Amazonは、大企業や政府機関がAWS AIシステムを自社のプライベートデータセンターで運用できる「AI Factories」を発表した。これは、データの所在地やアクセスを厳密に管理したいというデータ主権(データ・ソブリンティ)の要求に応えるための解決策だ。

AI FactoriesはNVIDIAとの提携により設計されており、NVIDIAの技術とAWSの技術の両方が含まれる。利用企業はNVIDIA製GPUの他、Amazonの最新AIチップTrainium3を選択することも可能だ。このサービスは、機密性の高いデータを扱う国内の公共機関や金融機関などにとって、AWS AIサービスを安全に導入するための重要な選択肢となるだろう。Amazonのニュース記事でも言及されている。

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ラスベガスで開催されたAmazon Web Servicesの旗艦イベントから、最新の発表をストリームで視聴できる。エージェントAIやクラウドインフラストラクチャ、セキュリティなど、幅広い業界のテーマに関する詳細な情報が提供されている。これらのセッションは、技術動向の把握やビジネス戦略の立案に役立つだろう。本コンテンツはAWSとの提携により提供される。

参考リンク

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