筋力を強くするための筋トレ方法

筋トレ

前回は筋肉を大きくするための筋トレ方法を紹介しましたが、今回は筋力を強くするための筋トレ方法について紹介していきたいと思います。

参考

筋力を強くするとは?

前回紹介した「筋肉を大きくする」とは、その名の通り筋肉の大きさを大きくすることですが、今回紹介するのは筋力…つまり力を強くする筋トレの方法になります。

筋肉量と筋力は同じではないか、と思うかもしれません。しかし、現代のスポーツ科学では、「筋肉の大きさだけでは筋力について完全には説明できない」としています。実際筋肉量と筋力の関係を調べた研究では、筋肥大による筋肉増強への寄与は50~60%にとどまると示唆されています。

なぜ筋肉の大きさがそのまま筋力に繋がらないのでしょうか?そこには筋力にかかわるもう1つの重要な要素「神経活動」があるからです。

「神経活動」とは?

筋肉の収縮は、脳の神経から伝わる命令によって起こります。現代の脳科学では、神経活動を高め、運動に適応させることが筋力を増やすことに繋がるといわれています。例えば、神経活動に働きかけることで、筋肥大に関係なく簡単に筋力アップする方法があります。それは「自分がトレーニングする姿をイメージする」ことです。よく聞くイメージトレーニングには筋力を強くする効果があったのです。研究ではイメージトレーニングによって、7日間で筋力が10%ほど増強されています。

このように筋肉の大きさが同じでも、神経が集うを高めることで筋力を増強させることができるのです。しかし、この方法による筋力増強は、一時的なものにすぎず、すぐに元に戻ってしまいます。これでは筋力が強くなったとは言えません。

そこで重要になってくるのが「神経活動の適応」です。新しく運動を始めた時などに、練習を重ねることでだんだんと上手にできるようになりますよね。これは、新たに情報を得ることで神経のネットワークが変化することで起きます。

このようなネットワークの再構築のことを「神経活動の適応」といい、運動が上達するメカニズムとして活用されています。そして、筋力増強の効果を長期的に持続させるためには、筋肥大とともに、筋力を強く発揮できるように神経活動を適応させることがポイントになるのです。

筋力増強には「高強度トレーニング」!

筋力増強を目的としたトレーニングであれば、高強度トレーニングが推奨されます。なぜでしょうか?

強い力を発揮するには、大きな運動単位を使って収縮させることが絶対条件となります。1つの筋肉には大きな運動単位が複数存在しますが、強い力を発揮するにはそれぞれの運動単位が同時に収縮することが大切になります。

そこで大切になってくるのが、神経活動の「発火頻度」です。神経活動の発火頻度を高めれば、多くの運動単位が同じタイミングで収縮し、高い筋力が発揮できるようになります。

高強度トレーニングを繰り返していると、脳の中では神経活動の発火頻度が高まり、より多くの運動単位を使って強い力を発揮するよう、神経ネットワークを再構築していきます。それによって、より高強度のトレーニングにも対応できる神経と筋肉へと変わり、筋力が強くなります。これが、神経活動の適応による筋力増強のメカニズムです。

筋力増強のための運動スピード

前回の記事で、筋肥大のためには「8秒以内の運動スピードが効果的」だと紹介しました。筋力増強のためにもそのスピードでよいのでしょうか?

実は、近年の研究により、「年齢やトレーニングの有無にかかわらず、筋力増強の効果は6秒以内の運動スピードで最大化される」ということが分かっています。ちなみに、6秒以内であれば、速さでそれほど差がないことも分かっています。

筋力増強のためのトレーニング頻度

トレーニングの頻度については、実はトレーニング内容によって効果が異なることが分かっています。単関節トレーニング(1つの関節にのみ負荷をかけるトレーニング)では頻度によって大きな差はなく、多関節トレーニング(スクワットなど)では頻度の増加に応じて効果が高まるのです。単関節トレーニングに比べて、多関節トレーニングではより強い筋肉が必要とされます。複数の筋肉で同時に強い力を出すためには、先ほどの運動単位の同期や神経活動を体に学習させ、神経活動の適応を高めなければなりません。そのために多くの回数や頻度が必要となり、おのずと総負荷も高くなります。

週単位の総負荷が同じ場合も筋力増強効果は頻度によって異なるのでしょうか?実は筋肥大と同様、頻度では変わらないことが分かったのです。つまり、筋力増強において、週単位の総負荷量が効果の指標になるといえます。

まとめ

  • 筋力増強には神経活動がポイント
  • 筋力増強には高強度トレーニング一択
  • 運動スピードは6秒以下を意識する
  • トレーニング頻度というより、総負荷量を意識する

以上です。総負荷量についてはこちらで紹介しているので、見てみてください。

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